いい話のおすそわけ 娘は何にも勝る宝

kenkouarisa

2012年07月20日 10:00


先日、郵便局からおろしてきたばかりの六万円を失うという、
私にとってはショックな出来事があった。
どこかに落としたかと半日捜し回ったが。
見つからない。

ガックリきた私は、
学校から帰ってきたばかりの小学校二年の娘にまで泣きついた。
 
「侑子どうしよう。
お母さん、六万円もなくしちゃった。
どうしたらいいと思う?
ねえ、ねえ」

母の声に、いつになく悲痛なものを感じ取ったのか、
娘はしばらく黙りこくったあと、
「ちょっと待って。
侑子が捜してくる」
と言い残して自室にこもった。

数分後、
部屋から出てきて再び私の前に現れた娘は
「お母さん、はい。
見つけてきたよ」と、
何枚もの紙切れを手渡してくれた。

そのどれもに
「60000さつ」
とフェルトペンで書いてある。
6の後に0が四つ、
ちゃんとついている。

自閉傾向という障害を持つこの娘は、
学校の勉強にもなかなか身が入らない。
10000という数字も、
ここ数日でやっと覚えたばかり。
宿題には毎日とても時間がかかるのに、
落書きの時に見せるこの早さ!
きっと母のために自分が何とかしなくては、
と娘なりに必死に考えたであろう。
子どもの持つ恐るべき底力を時々思い知らされる。

「侑子、
ありがとうね。
お母さん、
元気出てきたよ」
思わず抱き寄せた娘のぬくもりを胸に、
私は六万円よりもずっと大きなものを確かにつかんでいた。

 兵庫県龍野市  七条章子さんの投稿より引用

学問の成績では測れない人間の能力があります。
その優れた能力や才能を見出すことが教育であり道徳であるのですが
ゆとりを無くした現代はその可能性に気づかずに通り過ぎようとしています
ちょっと立ち止まって生きてる幸せを感じてみませんか

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