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Posted by おてもやん at

2012年10月01日

頭が痛い、さ~、何科にかかろうか・・・ ②

今回の講演で眼科・耳鼻科でも頭痛につながる病気があることが聴衆にも理解されたと思いますが、歯科疾患でも頭痛があることを医科の先生方や一般の方にも知っていただきたいと思います




それは筋筋膜性頭痛  

顎関節症や口腔顔面痛で咀嚼筋の過緊張が起こり痛みを発するもの

コメカミは側頭筋という下顎を閉じる筋肉の塊です

その筋肉が硬直すれば血管や神経の圧迫は当然起こります




緊張性頭痛と呼ばれる頭痛の大半はこれから来ている可能性があります




その原因のほとんどは咬合不全(噛み合わせの障害)

これは私たち歯科医師に聞いていただかないと分からないことですが

下顎の動きをコントロールする神経筋機構のバランスが障害されて

筋肉にトリガーポイントというシコリができた結果によるものです




その噛み合わせの障害をもたらすのは

歯並び・歯が抜けたまま放置・噛むと痛い歯があり避けながら咬む・治療した歯が高いまたは低い・不良姿勢(頬杖・猫背。足を組む等)・外傷等




こんなにたくさん原因と症例も多いのに

患者さんはまさか原因が歯とは想像もつかないものですから

違う科に行かれることがほとんどです




症例を一つ紹介します

(個人情報保護のため一部内容を改変)

29才男性 会社員 

主訴 全身痛。特に肩から上がとても痛い。仕事は休職中  医療機関をいくつも周り線維筋痛症と診断された

(症状)

一昨年頃から勤務先の経営状態が悪くなりリストラが始まり

勤務状況も厳しくなって、

一人で多くの仕事を掛け持ちしなければならなくなった

それまで軽く考えていた肩こりが慢性的に常に起こるようになり

一年半前から朝起きるとひどい頭痛に悩まされるようになり

会社を休むようになった

会社に仮病ではないかと思われるのがいやで

無理して出かけていたが

そのうち痛みはますます増大し

腰や膝まで痛くなって動けなくなった

これまで各診療科を回って

CTやMRIその他様々な検査を受けたが異常なしと言われた

先生によってはウソをついているのではないかといわれ

心療内科や精神科も受診した

薬も効かず困っていたが

ある医療機関で線維筋痛症の診断を受け

ようやく自分の病名がついたものの治療法が無いということで

捜していたということです

(既往歴)

以前よりアクビしたりすると顎がポキポキ鳴ることがあった

歯並び悪いが別に気にしていない

肩こり頭痛も昔からあったがこんなものと放っていた

(口腔内症状)

口が大きく開かない

口を開けると顎が横にズレる

顎関節が痛い

咀嚼筋を触診すると飛び上がるような痛さを訴えた

その他様々な所見から咬合由来のものと診断し

治療を行い

薬を使うことなしに症状が消失した
  


Posted by kenkouarisa at 15:09Comments(0)痛みをとる