2012年06月29日
シャープ(株)健康保険組合HPに掲載されることになりました
シャープ健康保険組合の方から連絡があり、
私が書いた「喫煙が口腔に及ぼす影響について」http://square.umin.ac.jp/nosmoke/1-17dentistry.pdf
の論文の中の写真ををシャープ(株)従業員用専用ホームページに
掲載していただくことになりました。
これは当院へ来られた喫煙患者さんに、
タバコがいかに口腔内に影響するかの禁煙教育を行い
禁煙を決断され
実践された結果、
黒ずんだ色素沈着していた歯茎が
きれいなピンク色に変化する経過を写真で記録したものです。
禁煙の効果が目で見て確認できるということでみなさん驚かれます。
他の臓器は、たとえば肺がきれいになったといっても
解剖しなければ確認できないわけで、
他の項目も検査しなければ確認できない難点があります。
しかし口の中はだれでも
鏡で見ることができるもっとも身近な人体です
タバコは口で吸うものですから
まっ先に影響を受けるのは喉でも肺
でもなく口の中です
ブログの写真では不鮮明なので
上記のアドレスで
わたしのPDF論文を見つけて読んでみてください
他にももっと様々な情報を載せています
2012年06月26日
インプラント 歯科医6割「トラブル」
インプラント 歯科医6割「トラブル」 学会指針作成へ
毎日新聞社 6月25日(月) 配信

インプラント:歯科医6割「トラブル」 学会指針作成へ
あごの骨に金属製の人工歯根を埋め込んで人工の歯を取り付けるインプラント治療で、治療している歯科医の6割が何らかのトラブルを経験していたことが、日本歯科医学会の初めての全国調査で分かった。手術設備や治療前の検査にもばらつきがあった。同学会は調査結果を基に、インプラント治療のガイドライン作りを始める方針だ。
インプラント治療は、入れ歯よりも自分の歯のように強くかめる半面、治療を巡るトラブルがあとを絶たない。日本歯科医学会は3月、全国の歯科医師会を通じて歯科診療所の医師1000人に調査票を送り、423人から回答を得た。
その結果、この治療に取り組む289人のうち、60・8%が治療による何らかのトラブルを経験していた。具体的には▽人工歯の破損が67・5%▽インプラント周囲の炎症が55・4%――などだった。
また、4人に1人が「神経のまひ」や「異常出血」などの重い医療トラブルを経験していた。手術を手術室でするかや治療前の検査内容にばらつきがあることも分かった。
インプラント治療はほとんどが自由診療でこれまで治療のガイドラインがなかった。調査を担当した栗原英見広島大教授は「他の歯科診療所の取り組みを知る機会を設けるなど、ガイドラインが守られるための仕組みも作りたい」と話している
今日もインプラントを入れたあと口腔顔面痛(顎関節症)になり、それがひどくなって線維筋痛症になった患者さんがこられた。全身どこも痛みのため歩行も横になることも困難。もちろん食事も柔らかいものしか食べられず、口をあけるのも苦痛。せっかく上記のようなこれだけのリスクを乗り越えてインプラントをやって手術が成功したとしても、そのあとに被せる修復物の咬合(噛み合わせ) という難関が待ち伏せしている。
インプラント礼賛の陰にこうして苦痛に耐えている患者さんがいることを知って欲しい。
毎日新聞社 6月25日(月) 配信

インプラント:歯科医6割「トラブル」 学会指針作成へ
あごの骨に金属製の人工歯根を埋め込んで人工の歯を取り付けるインプラント治療で、治療している歯科医の6割が何らかのトラブルを経験していたことが、日本歯科医学会の初めての全国調査で分かった。手術設備や治療前の検査にもばらつきがあった。同学会は調査結果を基に、インプラント治療のガイドライン作りを始める方針だ。
インプラント治療は、入れ歯よりも自分の歯のように強くかめる半面、治療を巡るトラブルがあとを絶たない。日本歯科医学会は3月、全国の歯科医師会を通じて歯科診療所の医師1000人に調査票を送り、423人から回答を得た。
その結果、この治療に取り組む289人のうち、60・8%が治療による何らかのトラブルを経験していた。具体的には▽人工歯の破損が67・5%▽インプラント周囲の炎症が55・4%――などだった。
また、4人に1人が「神経のまひ」や「異常出血」などの重い医療トラブルを経験していた。手術を手術室でするかや治療前の検査内容にばらつきがあることも分かった。
インプラント治療はほとんどが自由診療でこれまで治療のガイドラインがなかった。調査を担当した栗原英見広島大教授は「他の歯科診療所の取り組みを知る機会を設けるなど、ガイドラインが守られるための仕組みも作りたい」と話している
今日もインプラントを入れたあと口腔顔面痛(顎関節症)になり、それがひどくなって線維筋痛症になった患者さんがこられた。全身どこも痛みのため歩行も横になることも困難。もちろん食事も柔らかいものしか食べられず、口をあけるのも苦痛。せっかく上記のようなこれだけのリスクを乗り越えてインプラントをやって手術が成功したとしても、そのあとに被せる修復物の咬合(噛み合わせ) という難関が待ち伏せしている。
インプラント礼賛の陰にこうして苦痛に耐えている患者さんがいることを知って欲しい。
2012年06月25日
いい話のおすそわけ 「生きる」
道づれ
人間は生・老・病・死の四苦を背負っているとお釈迦様は説いている。
もうすぐ80歳を迎える私の妻も最近はもの忘れが多くなり、病院通いを始めるようになった。
その時は私も付き添って行くことにしている。
今のところ日常生活に大きな支障はないが、大切なものをどこにおいたのか思い出せないなどは珍しくなくなった。
先日も調剤してもらった薬を、その日のうちに紛失してしまった。
昔から長寿はめでたいこととされているが、今後の暮らしの中では、不都合なことにもいろいろと出会うことだろう。
私の人生は出世などとは無縁であったが、妻はそのことを一度も口にしたことはなかった。
下積み労働者としての私の生きざまを黙って支えてくれた。
世の中には人を押しのけてでも地位や肩書きを欲しがる人も多い。
世俗的な価値観を捨てることはそれなりに寂しさを伴うが、私の道づれである妻は共に歩いてくれた。
現在、私たち夫婦は多くの方の「おかげ様」に支えられ穏やかな暮らしを続けさせてもらっている。
ありがたいことである。
しかし、人生劇場の幕はいつ下ろされても不思議ではない。
案外早くその日が訪れることもあるだろう。
確実に言えるのは、どんな円満な夫婦であっても、いつかは別離の日を迎えるということ。
生別か死別かの違いはあるにしろ、万が一にも避けることのできない厳粛な人生の真実であることは、誰も否定できないと思う。
世界の70億人の中から、1組みの夫婦が誕生し、共に生きるということは、人知を超えた不思議な縁だ。
まさに運命的なものが感じられる。
私たち夫婦にも、これまでいろんなことがあったし、これから何がおこるのか分からない。
それが人生というものだろう。
別れの日を迎えるまで、道づれの手を離さないように、これからもしっかりと歩き続けたいと願っている。
熊本県菊池市 松岡光さん(80) 熊本日日新聞の投稿より
人は老いる。そしてその先には死が待っている。若い頃には考えたこともなかったそれらがひしひしと迫ってくる。私より一回り二回り多い先輩たちは、その思いがさらに切実であるだろう。 人はひとりで生まれひとりで死んでいくというが、よき人との出会いと毎日の生活を大切に暮らしていきたい。
人間は生・老・病・死の四苦を背負っているとお釈迦様は説いている。
もうすぐ80歳を迎える私の妻も最近はもの忘れが多くなり、病院通いを始めるようになった。
その時は私も付き添って行くことにしている。
今のところ日常生活に大きな支障はないが、大切なものをどこにおいたのか思い出せないなどは珍しくなくなった。
先日も調剤してもらった薬を、その日のうちに紛失してしまった。
昔から長寿はめでたいこととされているが、今後の暮らしの中では、不都合なことにもいろいろと出会うことだろう。
私の人生は出世などとは無縁であったが、妻はそのことを一度も口にしたことはなかった。
下積み労働者としての私の生きざまを黙って支えてくれた。
世の中には人を押しのけてでも地位や肩書きを欲しがる人も多い。
世俗的な価値観を捨てることはそれなりに寂しさを伴うが、私の道づれである妻は共に歩いてくれた。
現在、私たち夫婦は多くの方の「おかげ様」に支えられ穏やかな暮らしを続けさせてもらっている。
ありがたいことである。
しかし、人生劇場の幕はいつ下ろされても不思議ではない。
案外早くその日が訪れることもあるだろう。
確実に言えるのは、どんな円満な夫婦であっても、いつかは別離の日を迎えるということ。
生別か死別かの違いはあるにしろ、万が一にも避けることのできない厳粛な人生の真実であることは、誰も否定できないと思う。
世界の70億人の中から、1組みの夫婦が誕生し、共に生きるということは、人知を超えた不思議な縁だ。
まさに運命的なものが感じられる。
私たち夫婦にも、これまでいろんなことがあったし、これから何がおこるのか分からない。
それが人生というものだろう。
別れの日を迎えるまで、道づれの手を離さないように、これからもしっかりと歩き続けたいと願っている。
熊本県菊池市 松岡光さん(80) 熊本日日新聞の投稿より
人は老いる。そしてその先には死が待っている。若い頃には考えたこともなかったそれらがひしひしと迫ってくる。私より一回り二回り多い先輩たちは、その思いがさらに切実であるだろう。 人はひとりで生まれひとりで死んでいくというが、よき人との出会いと毎日の生活を大切に暮らしていきたい。
2012年06月23日
三つの鎮魂歌

ガツンと溝に落ち、装甲車の鉄の座席がひっくり返るのではないかと思ったとき、山川千秋さんが横からシッカリ両肩を押さえてくれた。
「大丈夫です」と振り向いたとき、山川さんの目に涙が溢れていた。
国境の二重になった鉄条網を押し倒しイスラエルからレバノンへと分け入っていく戦車群の後ろからプレス用の装甲車に乗って私は無我夢中でカメラを回していた。
反対側の様子を見る余裕など私にはまるでなかった。
涙する山川さんにハッとしたときその窓越しにレバノンの子供たちが旗を振りながらガレキの中を戦車を追って走っているのが見えた。
イスラエルの国旗だった。
「実ちゃん、あの子供たちは二つも三つもの国旗を自分のベッドの下にかくしているのだろう。戦車が来るとその印を見て旗を選んで駆けてくる。そうして自分の村と生命を守るこの子供たち・・・実ちゃん戦争っていったい・・・今僕たちはいったい何をしているんだ」
山川さんの涙は止まらなかった。
「実ちゃん、ジャーナリストは只の状況伝達者ではいけないね、その人たちの歴史と心情を伝えられるようなジャーナリストになりたいね」
山川さん、貴方は、私にとって今でもこれからも,良き師であり、よき友であります。
河井 実之助 山川千秋・ガンとの闘い180日 死は「終り」ではない より
FNNニュースキャスターであった山川千秋さんが中東を取材した時の体験を同行の仲間が伝えた。山川さんは88年食道がんで55歳で逝去
2012年06月22日
病者の祈り

病者の祈り
大事をなそうとして
力をあたえてほしいと神に求めたのに
慎み深く従順であるようにと
弱さを授かった
より偉大なことができるように
健康を求めたのに
より良きことができるようにと
病弱を与えられた
幸せになろうとして
富をもとめたのに
懸命であるようにと
貧困を授かった
世の人々の賞賛を得ようとして
権力を求めたのに
神の前にひざまずくようにと
弱さを授かった
人生を享受しようと
あらゆる物を求めたのに
あらゆることを喜べるようにと
生命を授かった
求めたものは一つとして与えられなかったが
願いはすべて聞き届けられた
神の意に添わぬものであるにかかわらず
心の中の言い表せない祈りはすべてかなえられた
私はあらゆる人の中でもっとも豊かに祝福されたのだ
(ニューヨーク・リハビリテーション研究所の壁に書かれた一患者の詩)
2012年06月20日
99%の養生

急に耳が聞こえなくなった80代の一人暮らしの女性のはなし
先日
彼女の友人から電話が掛かった
いつもになく小さい声
「あなたどうかしたの?元気ないけど」
友人は
「いつもと変わりないわよ」
「なら大きな声でしゃべって!」
「いつもと同じよ・・・」
そこで受話器を反対の耳に当ててみるとよく聞こえる
女性は愕然とした
耳が聞こえない!
一人暮らしで心細い上に
耳まで聞こえなくなったらどうしたら良いの!
不安はつのり
聞こえなくなったら友人も失ってしまう
色んな心配が駆け巡る
女性は切々とそんなことを訴えられた
話を聞きながら
「ところで耳の後ろの首筋は凝ってませんか?」
と聞くと
「最近痛いんです」
と言われる
右の胸鎖乳突筋を触ってみると
飛び上がる痛さ
ああこれが犯人だ!
胸鎖乳突筋が凝ると痛みが周囲に波及する
内耳にも影響し当然聞こえも悪くなる
「ところで普段どういう姿勢をしていますか
仰向けで寝ていますか」
「いやあ食事の時もソファーでくつろぐ時も
いつもTV見るために右側見てます」
そこで正面向いて食事する姿勢と
横向いて食べる姿勢をとってもらった
そこで初めて筋肉のコリが
姿勢の影響であることを自覚された
それまで肩がコルことはなんにもしてないのにと言われていた
「そういう姿勢を毎日続けているとどうなるかわかりますよね」
1週間168時間のうち治療時間はそのうちの1%
治療して楽になっても
家や仕事そして睡眠での99%の時間の癖は大きい
姿勢の重要性をこれからも訴えていきたい
2012年06月19日
かみ合わせの異常からくる「痛み」に要注意②

どうしてそのようなことが起こるのでしょう
「かみ合わせ」は大変デリケートで、
40ミクロンの高さを識別します。
私たちは食事の時何も気にせず咀嚼していますが、
歯は脳と密接につながっていて、
食物の性質や状態、
異物などは脳が自動的に感知しているのです。.
片側だけで噛むなど、
不自然な顎の動きをしていると「筋膜筋肉痛」が起こります。
これは、
急に運動をして凝りや痛みが出るのと同じです。
「筋膜筋肉痛」が原因となり、
咀嚼に関わりのある顎や頸部周辺の筋肉、
さらにそれを支える周辺の筋肉のこわばりへと移行し、
頭部や肩にも筋肉疲労が広がります。
局所の痛みが改善しないままだと、
やがて脳中枢や神経の過敏反応につながり
「慢性疼痛症候群」や
「線維筋痛症」などの病気を
引き起こす場合もあります。
気になる症状がある方は痛みが広がる前に、
早めの受診をおすすめします
2012年06月18日
かみ合わせの異常からくる「痛み」に要注意 ①

かみ合わせの異常からくる「痛み」に要注意
全身に症状が広がることもあります
虫歯や歯周病などの異常がないのに、歯が痛むことはありませんか?
痛みの原因や治療法についてのお話です
虫歯や歯周病もないのに歯が痛むことがあります
歯に痛みを感じる場合、
歯そのものの異常と思い込んでしまい、
神経を取ったり抜歯を希望する患者さんが多いようです。
一時的に症状が落ち着くこともあるため、
患者さんはやはりその歯が原因であったと感じるわけですが、
痛みが再発する
ケースもあります
.歯に異常がないのに痛みが続くようなら
「かみ合わせ」の異常からくる
「口腔顔面痛」の可能性が考えられ、
放っておくと顎や首、
肩などにも痛みが広がる場合があるので注意が必要です。
2012年06月16日
松田聖子さんはなぜ歯科医師を好きになるか?

今週のワイドショーは松田聖子さんの3回目の結婚の話題で賑わっています
なぜ続けて2度も
聖子さんは
歯科医師を相手に選んだのかと
司会者が芸能レポーターに聞くと、
彼はこういう話をしました
女性にとって
口の中を人に見せるということは、
全裸になることよりも恥ずかしいこと、
だから口の中を見せてしまうと、
聖子さんは全てを許してしまうような境地になるのでは
という見解を述べていました
私の見解では
当たり!
と思いました
みなさんは起性帯という言葉を知ってますか
起性帯とは皮膚と粘膜の境界部のことを言います
ここは人にとって特別な場所 秘所なのです
全身の中で起性帯にあたる部位はまず性器
皮膚から粘膜へ変化する境界部ですね
他に瞼と口唇部があります
ここは絶対に他人に見せたり
触れさせたりしない場所なのです
だから口の中を勝手に触れることは
女性にとってレイプされるような屈辱を味わうことになる
だから歯科医師はそういう大切な場所を治療しなければならないのだから
慎重に当たらねばならないと教えられました
それなら女性患者さんは
みな歯科医師に惚れるかということになりそうですが
残念ながら
私の人生では1回もそういう経験はありません
結局は聖子さんが選んだ相手は
みなイケメンだった
ということが
彼女が結婚を決めた最大のポイントではないでしょうか
1度でいいからイケメン歯科医になりたかった歯科医師のボヤキでした
2012年06月15日
噛み合わせが全身の健康に影響する ②

どんな不調が起こるかについて説明します
主に目や耳の周りの痛み、
鼻の横の痛み
舌などの痛み、
頭痛、
肩こり等
を引き起こします。
症状がひどくなると、
めまいや吐き気、
夜眠れないなどの症状や、
うつのきっかけになることもあります。
胸鎖乳突筋をはじめとしたこれらの影響について、
医療機関でもあまり知られていませんので、
患者さんは、
複数の診療科を転々とされ、
検査を受けても原因が分からないため、
治らないとあきらめている方も少なくありません。
症状が似ている副鼻腔炎や耳の疾患、
あるいはメニエール病と診断され、
薬を飲んでも症状が改善しないというケースもあります。
顔、
首、
肩の痛みや慢性的な不調にお悩みの方は、
噛み合わせの治療が突破口になる場合がありますので、
まずは御相談ください。
2012年06月14日
噛み合わせが全身の健康に影響する ①

身体のあちこちに現れる痛みや不調は、
もしかすると
噛み合わせが関係しているかもしれません。
今日は歯から起こる身体の不調についてのお話です。
歯は歯だけの問題と考えている方が多いようですが、歯を支える顎の筋肉は全身とつながっています。
耳やこめかみの痛みや違和感、
歯のグラグラ、
合わない入れ歯、歯茎の腫れなどをそのままにしていると、
自然にそこをかばって噛む習慣が付きます。
不自然な噛み方を続けると
顎の筋肉が筋肉痛の状態になり、
それにともなって首筋の筋肉もこわばってきます。
そのなかで
首筋から鎖骨につながる筋肉(胸鎖乳突筋)のこわばりが、
身体のあちこちに不調を起こすことが分かってきました。
(つづく)
2012年06月12日
歯科の現実

歯科の治療費は一般的に高い安いだけで論じられますが、
それでいいのだろうか、
と私はいつも考えます。
水や空気と同じように、
健康もタダという考えはもう過去のものです。
以前新聞の投書欄で、
歯科の治療費が話題になっていました。
やはり価格だけを論じていたのですが、
一人の母親が
「娘の八重歯を矯正しようと思ったが、
高額なのでやめた。
でも、
その娘がアメリカでホームステイしたとき、
そこの家族に
なぜ矯正しなかったの、
と歯科的知識レベルの低さを笑われて
ショックを受けた」
と言っていました。
全く、
治療費を高い安いで論じるのはナンセンスです。
要はその方の歯に対する価値観が
高いか安いかによるのですから。
外国人がよく言います
「日本の女性はかわいいい、
でも笑わないで」
彼らには、
八重歯がドラキュラ
を連想させるのです。
テレビや雑誌にも歯の悪い人がたくさん登場していますね。
歯茎の腫れた歌手や金歯キラキラの有名社長、
これが
歯の持つ機能の重要性や
絶対的価値をとらえきれない、
今の日本の現実です。
先進国と言われても
歯に対する知識や価値観から言えば発展途上国なのです。
環境保護と同じように、日本国民の意識が変わるのはまだまだ
先のことかも知れません。
でも少なくともこのブログを見てくださった貴方だけは、
この現実に気づいていただけるよう願っています。
2012年06月11日
線維筋痛症講演会に参加しました
今日は線維筋痛症友の会主催による講演会に参加しました
講師は聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターの山野嘉久先生でした
演題は「線維筋痛症の診断と治療」で線維筋痛症友の会会員およびその家族を対象にこの病気の診断や治療薬について講演されました。
講演終了後帰ろうとしていたら参加者からの質問票に歯科の内容があるが、講師の先生は専門外だからということで急遽呼び戻されました。
質問は2件あり
1件は歯科で線維筋痛症治療をするところがあるが、どうだろうかという質問で、当院とは違う歯科で線維筋痛症治療をするところがあることに触れた内容でした。こういうときに簡潔に答えるのは大変むつかしいものがあります。医科の方でもまだ実態解明されていない病気に歯科がなぜ関わっているのかを説明するのも大変で、そもそも10年前に体験した不適正な歯科治療によって線維筋痛症になった患者さんに出会ってその勉強を初めたこと、当院の顎関節症や口腔顔面痛の患者さんにも線維筋痛症の方がおられ、治療によって改善できたこと等をお話させていただきました。ただ自分が講師でなく、また友の会の方針上自院のことを紹介できませんので説明がむつかしかったです。質問票の歯科医院と当院では治療内容は違いますが、歯科で線維筋痛症治療に頑張っている先生がおられるということは、線維筋痛症における歯科の役割を学会でも主張できる頼もしく貴重な存在です。
2件目は口腔顔面痛(顎関節症)があり線維筋痛症と関連があるかという内容で、これに関しては日大心療内科の村上正人教授が線維筋痛症の8割に顎関節症を併発しているという発表を紹介させていただきました。
山野先生の講演は分かりやすく現状も理解できましたが、患者さんの質問内容からは、まだまだ医科の先生方の診療方針が統一されず投薬に関しても各先生によって処方が異なり、症状改善のため情報を求められる患者さんが多くおられるようです。それにリリカやトラムセット等の新薬が出てきても副作用で飲めない患者さんが多くいることも判明し、そういう方のためにも薬を使わない歯科治療の存在意義を再確認するとともに、これだけ多くの(全国で200万人)患者さんが苦しんでおられる現状に微力ながらお役に立ちたいと思いを新たにしました
2012年06月10日
脳の活性化と口の深い関係 ②

大脳における神経の筋肉分業を示したもの。口を動かす割合がとても広い。
人の身体は使わない部分がどんどん退化していく
使う細胞は残りますが、
使わずにいると廃用萎縮といって細胞がどんどん死滅します、
これまで脳細胞は成人以降には死滅するばかりだと想像されていましたが、
適度な刺激により老化を遅らせることができることが分かってきました。
口を機能させることで若さを保つことができる
細胞は3ヶ月使わないと死滅すると言われていますので、
脳が萎縮する前にしっかり顎を鍛えましょう。
美味しいものを味わって食べれば、
脳は喜びますし、
ストレス解消にもなり。
元気も出ます。
こんなにも素晴らしく、
人生の中で大切な
口の機能を
放っておくことは大変もったいないことです。
歯が抜けたところは入れ歯で補って、
しっかり噛める口腔環境を作り、
脳を刺激しましょう。
2012年06月09日
脳の活性化と口の深い関係 ①

脳の活性化には口が深く関係しています
脳を若々しく保つには、
歌を歌ったり、
料理をしたり、
楽器を演奏したり、
人と交流をすることが有効と言われていますが、
口と手を使うことが最も脳を活性化させます。
よく知られていることに
たとえば腕を切断すると、
そこを動かす脳の部位が萎縮してきます。
それと同じように、
歯を抜きっぱなしにしておくと、
脳も縮むのです。
脳の萎縮
すでに認知症の患者さんには、
歯がないか、
あるいは入れ歯が合わない方が多いとういう研究報告もあります。
口を動かす脳の部位は、
胴や脚など他の部分と比べて広い面積を使っています
つまり口を動かすためには、
脳はかなり働かねばならないということです
口と脳の結びつきは非常に強いということができます
(つづく)
2012年06月08日
いい話しのおすそわけ 「夫婦で焼いたホットケーキ」

デイケアセンターに行かない日、
主人がポツリと
「久しぶりにホットケーキば食おごたるなあ」
ともらした。
私は
「作ってみよかなあ。
加勢してくれるなら」
と言った。
ホットケーキのもとを出して、
卵と牛乳を入れ、
ざっくり混ぜた。
車椅子に座布団を2枚敷かないと、
フライパンの中は見えない。
主人に手伝ってもらって、
フライパンに流し込んだ。
表面に穴がポツポツとでき始め、
2分くらいして裏返ししたら、
薄茶色に焼けていた。
そしてやっと1枚目ができた。
じっと見ていた主人、
「2枚目はおれが焼く」
と言って、
フライパンに流し込んだ。
6年ぶりに作ったホットケーキ。
主人との合作は初めてだからと仏壇に供えた。
濃いお茶を入れ、
食べたホットケーキはとてもおいしかった。
ポトリと落ちた涙。
主人に見えないようにふく。
今は買えばどこにでもあるホットケーキだが、
手作りの味は格別。
また作ってみようと思っている。
「うまかったなあ」
と主人が言った。
うれしかった。
やればできると、
自身がついた。
私は
「また、
ホットケーキのもとを買いに行こう」
と主人に言った。
もう1枚作って、
息子の嫁さんに持っていったらと、
後で思った。
四苦八苦して作ったホットケーキだった。
森 慶子さん(85歳)
熊本日日新聞 2011.4.5 「読者のひろば」より転載
日々の生活の中にも喜びを見出した老夫婦の温かいひとコマが
読者の気持ちまで温めてくれます
幸せはいつも私たちのすぐそばにあるのですね
2012年06月07日
歯科医師の歯科治療体験②

歯科は痛い、怖いというイメージが強くあります
治療に行かないといけない、と分かっていながらもなかなか行けないという気持ち、すごく分かります
今回は自分の歯科治療体験です
歯科医に成り立てのころ、奥歯にモノが詰まるところがありました
食事ごとに詰まるので、先輩の歯科医師のところへ行きました
本来虫歯は少ない方で健全な歯がほとんどでしたが、詰まらないようにするため、そこの歯2本を削って冠を被せるという説明を受けました
虫歯でもない歯を2本も削って被せるということに抵抗がありましたが、有名な先生で一度自由診療医の治療を体験して見たかったものですから、お任せで頼みました
まず麻酔注射を一気にグーッツと刺され、麻酔のための注射がこんなに痛いものかと泣きそうになりました
以来自分が注射されるときは体が震えます
最近注射をするところを見ると痛みが増すという研究データが出ましたね
麻酔が効いていても、歯を押さえたり引っ張ったりする感覚は残ります
治療の手順が分かりますから、次はこうなると考えるとますます恐怖です
そうこうしながら冠が入りましたが、神経を残したままですので被せたあとしばらく歯がズキズキしたり、噛み合わせがしっくりいかず、慣れるまでかなり時間がかかりました
今ならラミネートという歯を削らず貼り付けで歯の不足部を埋める治療があるので、このような治療はせずに済むようになっています
口腔は顔面と脳に最接近したところですのでより怖く感じるものです
いまの治療体系はこれらの自分の経験からの改善です
患者さんの心理への思いやり、言葉掛け、歯や口唇へのソフトタッチ、麻酔注射法、音の軽減、痛みを与える治療の回避等不安と不快を軽減するためのさまざまな試行錯誤が続きます
なかなか理想には近づきませんが、なりよりもの不安解消は信頼関係に尽きると思います
2012年06月06日
歯科医師の歯科治療体験①

歯科医師が虫歯になったらどうすると思いますか?
自分で治療するか、知り合いの先生に頼むかでしょう
私の勤務医時代の院長は麻酔注射だけ勤務医にさせ、歯を削るのは自分でやっていました
そもそも歯科医師が虫歯や歯周病になることはありえないはずですが、結構虫歯を放置していたり、歯が抜けたままや、歯周病にかかり口が臭い歯科医も多いものです
勤務していたところの院長の名誉のため付け加えますが、虫歯や歯周病ではなく、歯ぎしりをして歯にヒビが入って噛めなくなったからです
歯ぎしりは食事で噛むときの10倍の力が出ます
その力じつに100kg
これでは強い奥歯でも壊れることがあります
やはり院長も相当なストレスがあったのですね
でも自分の歯を削って金冠を被せるという技術は相当なものですよ
鏡を見ながら自分で大臼歯の周りを、他の歯を傷つけないように削るのですから大したものです
もう30年以上前の話ですが、改めて偉大な院長に指導してもらったと感謝しています
2012年06月05日
歯の治療が楽しみになる歯科治療②
歯というのは、
人生の中でいろんな影響を受け、
刻々と状態が変わっていくものですから、
一時的に治療すれば終りではなく、
10年、20年と
本当の意味でサポートできる医院が望まれているようです。
生涯、
ホームドクターとして付き合える歯科医院を
みなさん求められていると思います
最初に来院されたとき
子どもだった女の子が
成人し、
就職し、
結婚し、
子供を産み、
家族で通うようになったりと、
本当に長くお付き合いしています。
親子3代で通われる方も多くなりました。
当院も娘が歯科の道を歩いています
歯と一緒に人生もサポートできる歯科医でありたいと思います
2012年06月04日
歯の治療が楽しみになる歯科治療①

歯科を訪れる患者さんの悩みで多いのは?
痛みを止めて欲しい、
ちゃんと噛めるようにして欲しいというのが、
初めの目的として多いようです。
でも最近特に感じるのですが、
自分のお口の重要性(役割)に気づかれると、
みなさん高い目標を掲げてお口の健康回復につとめられます。
たとえば
「何でも噛めるようになって体力をつけ、病気に打ち勝ちたい」
という50代の女性もいますし、
「笑顔美人になりたい」というアナウンサー志望の女性、
「一人暮らしで人に頼れないから、いつまでも元気でいたい」という80代の方、
「もっと自分に自信をつけたい」など、
どなたにも歯の治療をきっかけに、
次第に生き方も好転させていかれます。
歯と心のつながりは大切だという認識は広がっています。
そこで役割を果たすのがカウンセリング。
当院がカウンセリングから治療まで個室の自由診療で行なっているのは、
じっくりとお話をできるようにするためです。