2012年07月08日
いい話しのおすそわけ 「ネパールのビール」

「ネパールのビール」
「ネパールのビール」
という題の本を図書館の本棚で見つけた。
ビールが大好きな私は
ネパールのビールってどんなビールなんだろうと、
100%の好奇心で借りてきた。
内容は全く違っていた。
昭和60年の夏、
著者は撮影のため、
ヒマラヤのふもとに10日余り、
滞在していた。
車はもちろん、
道もないこの地では人力で
撮影機材や食料を運ばなければならない。
余分なものを一切割愛セざるを得ない。
真っ先にあきらめたのがビールだ。
ところが、
村の少年チェトリが
「ビールを買ってきてあげる」と言う。
しかし、
この少年が2日たっても帰ってこない。
村人に相談すると
「そんな大金を預けたのなら逃げたのだ」
という。
3日目の深夜、
チェトリは帰ってきた。
山を4つも越した別の峠まで行かなければ
ビールを買うことはできなかった。
しかも、
途中でころんで3本割ってしまった、
とベソをかきながら破片を全部出して見せ、
そして釣り銭を出した。
著者は、
彼の肩を抱いて泣いた。
私もまた、
この少年の誠実さと、
胸の内を思って泣いた。
古賀 結美子さん 熊日新聞書評投稿より
「ネパールのビール」吉田直哉著(文春文庫)
人間ていいなあ としみじみ感じさせる話です
チェトリはどんな大人になったでしょう
Posted by kenkouarisa at 18:05│Comments(1)
│勇気をあなたに
この記事へのコメント
わ~っ、いい話ですねー。
いつもの綺麗どころの画像は拝見できませんでしたが、
それよりももっと 素晴らしいブログで感銘を受けました。
いつもの綺麗どころの画像は拝見できませんでしたが、
それよりももっと 素晴らしいブログで感銘を受けました。
Posted by おおかみ
at 2012年07月08日 18:49
