2010年04月05日

医師は患者さんの生活に出会えるか

医師は患者さんの生活に出会えるか

 A子さんがまた歯茎を腫らして駆け込んできた。

「すみません甘いものが増えすぎちゃって」

「タバコが歯茎に悪いってわかっているんですがつい・・・」

「やめようと思っているんですがやめられないんです」

こちらの言わんとすることをさえぎるように、

A子さんはまくしたてる。

(わかっているんですよ。あなたがストレスで挫けそうなこと)




職場の人間関係で疲れ、

家庭でも子育てに追われ、

仕事中心で話を聞いてくれない夫。




睡眠時間を削り懸命に働く彼女の唯一の慰みはタバコと甘いもの。

こんなとき禁煙と甘いものを取り上げたら、

さらに彼女を追い詰めてしまう。




「よく頑張ってますよね。歯を食いしばって頑張ってるから、

歯茎も腫れるんですよね」

「不満も言わず頑張ってるから、周りの評判もいいんですよね」

「でも身体も大事だから、身体のことも考えてね。

きつい時はきついって言っていいんだよ。

いつもいい子でいる必要はないんだからね」

そういって帰した。




それからしばらくたってA子さんが来院した。

また腫れたのかと聞くと彼女は照れて

「そうじゃないんです。わたし職場やめました。

私が働かないとやっていけないと考えていましたが、

それでストレス溜め込んじゃって、

子供や夫にまで当り散らして。

仕事やめてなんとか夫の給料だけでやりくりしようと決心したらなんか吹っ切れて。」

「おかげであれからタバコもやめられたし、

甘いものも減らせて。

先生の言うように、歯茎腫れなくなりました」・・。

それから何年もたつが歯茎は全く腫れない。

定期健診に来るたびA子さんと「あれはやっぱりストレスが原因でしたね」とうなずきあっている。




 人は誤解の生き物だと思う。

夫婦でも親子でも兄弟でも、

自分の思い込みから言い争ったり誤解したりする。

職場や社会や国家間。

すべては己の自我を通そうとすることから、

考え方の違いが生じる。

テレビやパソコンと向き合わないで、

人と向き合ってほしい。

ストレスを減らすには無用な誤解を減らすことが一番だと思う。

お互いが理解しあうことがストレスを減らす一番の方法だと思うのだが。




 医師も患者と向き合って、一緒に生活背景を見つめることができたら、

もっと治療の効果も上がるだろう。

少なくとも注意ばかりして、

患者のストレスを増やすより効果的ではないだろうか。

 


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Posted by kenkouarisa at 09:00│Comments(0)スガ歯科日記
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